「情報過多」といわれる現代において、ターゲッティングの精度が高く拡散力もあるSNS広告は、潜在顧客に効果的にアプローチすることができるため、高い費用対効果が期待できます。とはいえ、「本当に効果があるのか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は主要なSNS広告についてそれぞれの概要、メリット、デメリットについて解説していきます。
Facebook広告
【概要】
Facebook広告とはFacebook上に表示される広告です。Facebookの国内MAU(月間アクティブユーザー)は2,600万人(2019年時点)で、様々なタイプの利用者にアプローチできることから、多くの企業に支持されています。日本においては、他のSNSと比べると40代以降の利用率が高く、ビジネスに関する話題も投稿しやすいという特徴があります。そのため、中高年層にアプローチしたい企業や、BtoBで展開する企業にとってFacebook広告の活用は、狙い目と言えるかもしれません。
Facebookではフィード、インストリーム動画、右側広告枠、ストーリーズに広告が表示されます。PC版では、フィードと右側広告枠のみになり、反対にモバイルでは右側広告枠は表示されません。

また、Facebook上以外にも、Facebook社がサービスを提供している、Instagram、Messenger Audience Networkにも広告を配信することができます。Audience Networkとは、Facebookの審査を通過したサードパーティのアプリやサイトのことで、代表的なものにニュースアプリのGunosyや飲食情報サイトの食べログがあげられます。Instagram、Messenger広告はその名の通り、それぞれのアプリ上に表示される広告ですが、Instagram広告については、次の項目で詳しく解説します。
Facebook広告のメリット
精度の高いターゲティングが可能
Facebook 広告の最大の強みは、精度の高いターゲティングができることです。Facebookは、原則、実名登録のSNSです。そのため、個人プロフィールの年齢や性別、経歴、所属する企業から生活過程に至るまで、正しく入力している人が多く、ターゲットを絞り込みやすいという特徴があります。
広告フォーマットの種類が豊富
Facebook広告では、商品・サービスの特徴に合わせて様々な広告のフォーマットが選択できます。「リーチ」「エンゲージメント」「来店数の増加」など達成したい目的に合わせてフォーマットを選択できることはメリットの一つと言えるでしょう。また、2つの異なるフォーマットで同時配信することで、それらの効果を比較検証できるA/Bテストという機能もあります。クリエイティブやターゲットを変えた広告の配信が可能なため、広告フォーマットに迷っても両方で検証と改善ができます。
Facebook広告のデメリット
Facebookユーザーにしかアプローチできない
どのSNS広告でも言えることですが、Facebook広告は当然ながらFacebookに登録しているユーザーにしか配信されません。幅広い年齢のユーザーが見る大手検索エンジン広告に比べて、Facebook広告はある程度制限があるなかでの広告ということを認識しておく必要があります。
仕様変更が多い
Facebook広告は仕様変更が多く、操作画面のレイアウトなどが変わることがあります。そのため、一度広告を配信すれば終わりではなく、配信と検証を繰り返しながら継続的な運用を目指すことが必要です。
Instagram広告
【概要】
Instagram広告とは、Instagram上に表示される広告です。InstagramはFacebook傘下のサービスですが、2019年には国内MAUがFacebookを上回る3300万人に到達しており、マーケティングにおいても非常に注目されているメディアの一つです。メインユーザーは、20~40代の若年層と女性が多い、という特徴があります。特に10~30代のユーザーにおいては、いずれも60%以上が女性であるため、女性向け商品やサービスを扱う企業は、Instagram広告の活用は欠かせないでしょう。
Instagram広告はフィードとストーリーズでの表示が可能です。
また、ダイレクトに広告が表示されるわけではないですが、ユーザーの利用履歴や興味関心に基づきパーソナライズされて表示される「発見タブ」というページの中から、投稿をタップし、スクロールすると広告が表示される仕組みもあります。発見タブの一覧の中ではなく、特定の投稿を閲覧した先にタイムライン形式で表示されるため、スクロール中に自然に目に入ることも大きな特徴です。
更に、ショッピング広告という機能も備わっており、表示された広告のタグからそのままECサイトに遷移させることができます。 商品ページへとスムーズに遷移させることができるため、ユーザーの購買熱量を保ったまま商品の購入へ繋げることができます。
Instagram広告のメリット
Facebookのユーザーデータが使える
InstagramはFacebook傘下のサービスなので、Facebook広告と同等の詳細なターゲティングが可能です。
インパクトのある写真で自然な宣伝ができる
Instagramは他のSNSと比較して、視覚的に商品をユーザーにアピールできる特徴があります。また、タイムラインに流れる画像や動画の一つとして広告が掲載されるので、広告感の少ない自然な宣伝ができる点もメリットの一つです。
Instagram広告のデメリット
BtoB向けプロモーションとの相性は好ましくない
Instagramはあくまでもエンドユーザーへの情報発信ツールなので、BtoB向け商品やサービスを提供している企業にとっては相性が良くない場合もあります。また、ビジネスに関する投稿も少ないため、サービスの性質によってはInstagram広告は不向きな場合もあります。
拡散力が弱い
Instagramにはシェア機能がないため、他のSNSと比較すると拡散力が弱く、拡散力を狙った宣伝効果は限定的になる傾向があります。
TikTok広告
【概要】
TikTok広告とは、TikTok上に表示される広告です。TikTokは、2018年から急激にユーザー数を伸ばしており、国内MAUは950万人(2019年時点)に達しています。比較的新しいSNSということもあり、現時点のMAUはFacebookやInstagramに劣りますが、アプリのダウンロード数が世界で20億回を突破するなど、ここ数年、凄まじい成長を見せており、今勢いのある媒体の一つです。国内のユーザー層は、10代が中心で、女性が6~7割と多い傾向にあります。そのため、デジタルネイティブ世代に向けたブランド認知度や、エンゲージメントを高めるマーケティングソリューションの一つとしてTikTok広告は非常に有効です。なお、世界的には、男性ユーザーの方が多く、約60%が20歳以上のため、今後は日本でも20歳以上のユーザーと男性ユーザーの増加が予想されます。
TikTok広告の種類は「起動画面広告」、「インフィード広告」、「チャレンジ広告」の3種類です。それぞれの特徴は以下の通りです。
画像引用元:MarkeZine
起動画面広告
アプリを起動時に3~5秒全画面表示される広告です。1日1社限定の配信となり、登録から7日以上経過しているユーザー全員に配信されるため非常に訴求力に長けています。
インフィード広告
おすすめ投稿欄に5~15秒全画面で表示される広告です。いいね・コメント・シェアができるため、インパクトのあるコンテンツであるほど、高い広告効果が期待できます。
チャレンジ広告
お題となるハッシュタグを用意して、手順に沿ってユーザーに動画を作成してもらう広告です。ユーザー参加型のコンテンツになるため、受け入れられやすく、拡散力が高い広告と言えます。
TikTok広告のメリット
ユーザーのエンゲージメントが集まりやすい
ほかのSNSと比べ、いいねやコメントがつきやすく、フォロワー数が伸びやすいのもTikTokの特徴です。ユーザーコミュニケーションが活発なSNSであるため、広告でユーザーとのコミュニケーションを図ることが出来ます。
手軽にオリジナリティのある動画作成が可能
TikTokでは独自のフォーマットで、音楽と編集を簡単に組み合わせてオリジナル広告動画を作成することができるため、他のSNS上での動画広告に比べると作業負担が少なく作成することができます。
TikTok広告のデメリット
広告掲載費が高額
アプリ起動時やタイムライン上などに広告を配信することができるため訴求力に長けていますが、費用が高額になりやすい点はデメリットと言えるでしょう。
LINE広告
【概要】
LINEは日本国内MAU8,600万人(2020年時点)を誇るコミュニケーションアプリです。どの圧倒的な数のユーザーに向けて広告を配信できるプラットフォームがLINE広告です。幅広い年代や属性のユーザーに対して、効果的にアプローチができため注目されています。LINE広告は、トークリスト最上部に広告が配信できるSmart ChannelやLINE NEWS、タイムラインへ広告を配信することができます。また、LINE広告ネットワークを活用し、3rd partyアプリへの配信も可能です。

画像引用元:LINE for business
LINE広告のメリット
他のSNSではリーチできない顧客層へアプローチできる
LINEは他のSNSと比較してユーザー数が圧倒的に多く、幅広い年齢層に利用されています。また、コミュニケーションアプリという性質上、MAUの内86%のユーザーが1日1回以上はアプリを利用しているというアクティブ率の高さも見逃せません。「ほかのSNSは使っておらずLINEだけを利用している」というユーザーも多く、LINEだけがリーチできる層に広告を配信できる点は大きな魅力と言えるでしょう。
豊富な配信メニューや配信面が用意されている
認知拡大やユーザー獲得、友だち増加など幅広いマーケティング目的に対応できるよう、さまざまなメニューや配信面が用意されています。
LINE広告のデメリット
審査通過のハードルが高い
LINE広告は審査が非常に厳しく、必ずしも広告が出稿出来るとは限りません。特に、化粧品や健康食品など特定のビジネスにおいては、他の業種とは異なった審査基準があります。審査基準についてLINE広告審査ガイドラインを事前にチェックしておくとよいでしょう。
拡散性が弱い
LINE広告にはTwitterの「リツイート」やFacebookの「いいね」に相当する機能が無いため、拡散性が弱いです。そのため、ブランド認知やエンゲージメントにはやや不向きです。
Twitter広告
【概要】
Twitter広告は、Twitterのタイムラインや検索結果に広告を掲載することができるサービスです。LINEほどではないものの、国内での利用者はFacebookやInstagramを上回ります*。
Twitterの利用者は、今起きている事や欲しいものや買ったものなど、リアルタイムに投稿しています。Twitter広告では、ユーザーの興味、関心、ツイート内容や検索に用いるキーワードなど、多彩なターゲティングによって、「今○○が欲しい人」や「○○に興味がある人」に広告を配信することができます。
*2018年以降Twitterはアカウントに関する報告を行っていません。(2017年時点でのMAUは4,500万人)
Twitter広告のメリット
拡散性が高い
Twitter最大の魅力は「リツイート」による2次拡散です。そして、Twitter広告もオーガニックツイートと同様に「いいね」や「リツイート」をすることができます。「リツイート」された広告は料金がかからないため、拡散すればするほど低コストで情報が広がる仕組みになっています。自社で設定したターゲット以外にもリーチできる可能性があり、潜在顧客へ訴求することもできます。
リアルタイムでユーザーの反応を確認できる
Twitterでは広告が拡散されると、その広告に対する「いいね」やコメントが短時間で多く集まります。ユーザーからの反応は、広告内容を改善する上で重要な指標になるため、リアルタイムで確認することができる点はメリットの一つと言えます。
Twitter広告のデメリット
Facebookに比べるとターゲティング精度が低い
Facebookは、利用登録をする際に性別や誕生日の入力が必須となっていますが、Twitterはそうではありません。そのため、Twitterはユーザーが入力した情報からではなく、ユーザーのフォローやツイート内容などから類推した、性別・年齢をもとにターゲティングされます。ただし、ツイートの内容やいいねやリツイートなどのTwitter上での行動から分かる興味関心などをターゲティングに使うことできるなど、他のSNSにはないTwitter広告ならではの機能もあります。
炎上する可能性がある
Twitterは拡散力が強く、一度リツイートされた内容は本人以外は削除することができないため、SNSの中でも炎上しやすい傾向があります。インパクトを重視しすぎた広告は、炎上という悪い形で拡散されてしまう事もあるので注意が必要です。特に差別的な表現や、ユーザーを過度に煽るような内容にはくれぐれも気を付けましょう。
まとめ
今回紹介したように、SNSによって広告の特徴は異なります。ターゲットは誰か、SNSを通して知って欲しいポイントは何なのかを整理し、どのSNS広告を活用するのが最適なのか検討することが重要です。SNS広告を正しく理解し、SNSマーケティングに効果的に活かしましょう。
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