Instagramは、写真によってビジュアルイメージが伝えやすいことから、飲食店や美容関係などのマーケティングに強いイメージがあります。しかし最近は、写真の投稿だけでなく、動画配信のストーリーやショッピング機能を活用するなど、企業によるマーケティングやブランディングに使われるケースが増えてきています。今回は、数あるSNSマーケティングの中でも、特にInstagramを使った手法が注目を浴びている理由に触れながら、Instagramアカウントを企業が運営することで得られるメリットや、運用する上でのポイントについて紹介していきます。

Instagramのユーザー層
Instagramは、SNSマーケティングの中でも重要な位置を占めています。その理由の一つに、ユーザー数の増加があります。月間アクティブユーザーは3,300万人(2019年6月時点)と5年間で8倍、これは他のSNSと比較しても驚異的な増え方です。
また、「若い女性が大多数」というイメージが強いInstagramですが、最近では50代以上のユーザーも増え、多様化が進んでいます。さらに、国内利用者の43%が「男性」というデータも発表されています。これらの情報から、性別・世代に関係なく誰もが利用するようになっているSNSであることが分かります。
企業がInstagram運用で得られるメリット
企業ブランディングができる
ブランディングとは、「企業や個人、その商品・サービスに対して、人々に共通のイメージを認識させること」です。写真や動画で発信できるInstagramでは、自社の商品や店舗のイメージをそのままビジュアルで伝えることができます。そのため、ブランドが持つ個性や世界観を想起させやすく、ブランディングに向いたツールと言えます。
認知度を上げることができる
ホットリンク社によって提唱された、SNS時代の購買プロセスを「ULSSAS(ウルサス)」といいます。ULSSASとは、以下のような仕組みになっています。 特徴は『UGC(User Generated Contents)と呼ばれるユーザーが投稿した口コミ」が起点になっていることです。情報過多の今、最も影響力があるのは企業が発信したオフィシャルな情報ではなく、ユーザーが自ら投稿したコンテンツです。これを軸に購買プロセスを考えます。
【参考:ULSSAS(ウルサス)とは|hotto link 】
UGC:商品を利用したユーザーが写真とコメントを投稿。
Like:UGCを見た他の人が投稿にいいねやリツイートする。
Search1(SNS検索):いいねをした人やその投稿を見た人が商品について気になり、SNS上で検索。
Search2(Google/Yahoo!検索):更に詳細な商品情報を知るために、検索エンジンで情報収集。
Action(購買):商品を購入。
Spread(拡散):商品についての感想をSNS上に投稿。その投稿(UGC)にいいねがつき、再びULSSASのサイクルが回り始める。
このプロセスの、UGC・Like・Search1・Spreadにおいて「認知」を広げることがInstagramの役割になります。最近は、”ググる”(Google で検索すること)から派生して”タグる”(Instagramのハッシュタグで検索すること)という言葉が生まれるほど、情報収集の際にInstagramで検索する人が増えています。このハッシュタグを効果的に選択・活用することで、より多くの認知機会を増やすことができるでしょう。
UGCの創出で新たな見込み顧客の獲得ができる
UGC(=SNS上の口コミ)が増えると、自社の顧客からの情報拡散が期待でき、これまでリーチできていなかった新規見込み顧客を獲得するチャンスに繋がます。信用できる友人・知人からの情報拡散は企業が発信する情報よりも興味を引きやすい特徴があります。UGCは自然に発生するタイプのものと、キャンペーンなどと併せて意図的に短期で作り出すタイプの2種類があり、最近では後者の、キャンペーンを活用したUGC創出を行う企業も増えています。
ECサイトとの連動で売り上げに直接繋がる
2018年に追加されたショッピング機能によって、ULSSASの「認知」の部分だけでなく、Actionである「購入」までInstagram内で完結することができるようになりました。
具体的には、ショッピングバッグのアイコンが付いた投稿画像をタップすると、「商品名」と「金額」が表示されます。そこから「ウェブサイトで見る」をクリックすると商品を購入できるサイト飛び、商品を購入することができます。
また、各ブランドのプロフィールページの「ショップ」(以下画像左の赤枠)をタップすると、ショッピング可能な投稿のみの一覧を表示することも可能です。
もちろん従来通り、プロフィールに商品サイトや外部のECサイトを記載して購入を促す方法もあります。ブランディングや認知拡大に加え、ECサイトの1つとしても活用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
Instagram運用の事例紹介
ここで、弊社でInstagramの運用代行をしている、コスメ販売会社A社のある月の例をご紹介します。

フォロワーが約1万人で、3回/月の投稿を実施。ひと月で19名の方がInstagram経由で商品を購入しました。ショップ機能を使わず、トップページから商品サイトにアクセスして購入された方はこの数字には含まれていないので、実際の売り上げへの貢献はそれ以上だと言えます。
このように、上手くInstagramを活用することで、見込み顧客の創出だけでなく、購入というコンバージョンを獲得することも可能となります。
企業のInstagram運用におけるポイント
企業がInstagramを効果的に運用するためにはコツが必要です。以下に抑えておくべきポイントを紹介します。
①社内の運用体制を整える
Instagramで成果を出していくためには、ターゲットに向けて価値のある情報を提供し続けることが不可欠です。しかし、例えば1人の担当者が片手間で運用を行っていては、情報の選定や投稿作成の作業をこなしていくことが難しくなります。決して人を多くすれば良いというわけではありませんが、投稿文だけでなく、ターゲット選定やペルソナ設計、プロフィール文の作成やキャンペーン企画など、SNS運用にある程度の時間を割ける人を用意することが大切です。
②運用ルールを決めておく
顧客接点となるため、運用ルールを事前に制定しておく必要があります。以下に例を挙げます。
・コメントやDMに対して返信するか、しないか
・他人の投稿へのいいねのルール
・返信をする場合、返信する時間や返信用ひな形のマニュアル化
・ネガティブなコメントに対し、どのような対応を行うか
一部ですが、このようなルールを決めておくことで、混乱を避け、スムーズに運用することができます。
③ハッシュタグを有効に活用する
Instagramユーザーの多くは、ハッシュタグを使って検索をします。そのためハッシュタグの使い方次第で、ユーザーをうまく自社コンテンツに誘導することができます。 選定のポイントはいくつかありますが、利用者数が多すぎないタグを選定することも重要です。例えば、コスメ の投稿でも、#コスメ ではなくて、#冬コスメや#プチプラコスメと対象を絞って投稿した方がより高いエンゲージメントを獲得することができます。ハッシュタグ選定はSNS運用でも重要ですので、固定にせず定期的に見直すようにしましょう。
④インフルエンサーを上手に活用する
インフルエンサーの力は絶大で、うまく活用すれば想像以上の成果を期待することができます。しかし、インフルエンサーの選定には注意が必要です。単純にフォロワー数だけでキャスティングをすると、フォロワーとターゲットが合っておらず期待する成果を得られないことがあります。インフルエンサーの普段の投稿内容やフォロワーの属性や反応を確認し、商品にあっているか見極めることが大切です。
⑤ほかのメディアと連携させる
Instagramは他のSNSと比べて拡散力が高くありません。そのため、拡散力のあるFacebookやTwitter、Webサイトやメルマガと連携するなどの工夫も必要です。 ただし、リソースが少ない場合はむやみにアカウントやメディアを増やさず、まずはInstagramに注力するのが良いでしょう。
⑥UGCを上手く活用する
ULSSASの例でも取り上げましたが、UGCはユーザーが作ったコンテンツです。具体的には、SNS上のプロフィールや投稿、レビューや口コミのように、ユーザー自らが発信した情報にあたります。SNSで見たことがきっかけで物を買うことが当たり前になっている現代において、UGCは企業が発信する情報以上に大きな影響力を持っています。
《自社アカウントにUGCを活用する方法》
ⅰ.ユーザー投稿のみを投稿
ユーザーの投稿を引用投稿(リポスト・リグラム)するパターンです。自社でコンテンツを用意する必要もなく、運用コストも低く抑えられます。
ⅱ.ユーザー投稿を一定数ピックアップして投稿
キャンペーンやコンテストを開催し、通常のユーザー投稿の中からピックアップして自社の投稿の合間にUGCをリポストして紹介します。レシピ投稿や活用アイディア系、アパレルの投稿などに向いています。企業の公式アカウントで紹介されるということで、ユーザーへのメリットも大きいです。
《UGCを活用する場合の注意点》
ⅰ.使用許可を取る
無断で使用すればトラブルに発展し、最悪の場合、訴訟などの問題に発展する可能性があります。必ず承諾を得てから使用しましょう。
ⅱ.リポスト(リグラム)であることを明記
キャプションに引用元アカウント名を記載しましょう。
ⅲ.著作権・肖像権・商標権
TV番組や小説の二次創作など、著作権に違反するコンテンツや、許可を取っていない第三者、他社商品のロゴが映り込んでいる場合は使用不可となるので注意が必要です。
SNSの運用を専門の代行業者に依頼するという選択も
SNSは企業とユーザーを繋ぐものであり、ブランディングや集客に寄与する重要なツールです。しかし実際の運用となると、どのような投稿を行えば良いか分からなかったり、多忙で手が回らないなどといった課題も考えられます。そのため、最近では、SNSの投稿やアカウントの管理を外注するという企業やお店も増えています。クリエイティブやエンゲージメントの専門知識・ノウハウを持っているため、簡単かつ効率的にSNSを運用することができます。
まとめ
ブランディングを行えるだけでなく、ECサイトの一つとしての役割も持つようになったInstagram。利用の幅も広がり、企業の参入がより活発になっていくことでしょう。SNSが決め手でモノを買う時代。乗り遅れないためにも、Instagramで企業アカウントを運用することをぜひおすすめします。

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