コロナ禍の外出自粛によって、外食産業を取り巻く環境は激変しています。日本フードサービス協会の調査*によると、2020年4月時点で外食産業全体の売り上げは60.4%(前年同月比)まで落ち込みました。9月時点では86.0%(前年同月比)まで回復しましたが、未だ厳しい状況が続いています。また、外食産業の停滞に伴い、食材消費も落ち込んでいます。それでも生産ラインを止めることはできないため、食品ロスがこれまで以上に問題視されるようになりました。そこで今回は、コロナ禍における外食産業の変化やトレンド、アフターコロナを見据えたマーケティング施策の方向性について探ります。
*参考:外食産業市場動向調査|一般社団法人日本フードサービス協会
コロナ禍の自粛生活をきっかけに、デリバリー、テイクアウトの利用者が急増
店内飲食以外の収益源に活路を求めて、多くの飲食店がデリバリーやテイクアウトを始めました。MMD研究所が2020年7月に発表した調査*によると、1年以内のインターネットでのフードデリバリーサービスの利用経験は前年から16.5%と大幅に増加しています。

また、同調査によると、84.9%の人が緊急事態宣言後にデリバリーもしくはテイクアウトを利用したことが分かっており、コロナ禍の自粛生活をきっかけに、外食文化に変化が生じていることが伺えます。

*参考:2020年インターネットでのフードデリバリーサービスに関する調査|MMD研究所
食の新たなトレンド、フードシェアリングサービスとは
冒頭でも触れた通り、新型コロナウィルス感染拡大で、食品ロスの問題が広がっています。その打ち手として、近年注目を集めているのが、フードシェアリングサービスです。具体的にどのようなサービスなのか、社会貢献のみならず、事業者が取り組むメリットはどこにあるのか、以下に説明します。
世界中で注目を集めるSDGs。その中の1つに「2030年までに世界の食廃棄を半減させる」という目標が掲げられています。特に食べられるのに捨てられてしまう食品ロスは、先進国に集中しており、日本でも大きな問題となっています。

食品ロス問題に対する生活者の意識
平成30年に実施した消費者庁のアンケ―ト*によると、日本の生活者の食品ロス認知度は70%以上。さらにこの問題について「積極的に取り組んでいきたい」と回答した人が36.5%、「気が付いたときに取り組んでいきたい」と回答した人が52.5%でした。合わせると、約90%の人が食品ロスに関心を寄せ、取り組む姿勢を持っていることが分かります。
フードシェアリングサービスとは
生活者の食品ロスへの意識が高まる中で、今注目を集めているのがフードシェアリングサービスです。これは、食品ロスになりそうな商品と生活者やフードバンクをアプリやECサイトなどでマッチングするサービスです。事業由来の食品ロスを削減できることから、食品メーカーや飲食店などの事業者からも大きな関心を集めています。サービスの内容は、飲食店のメニューを店舗で受け渡すもの、食品メーカーの商品をECサイトで販売するものなど様々です。
飲食店がフードシェアリングサービスを利用するメリット
食品ロス削減
予想しきれない食品ロスを未然に防ぎ、食品ロス削減につながります。
認知度向上
新規客とマッチングすることにより、新たな顧客獲得が見込めます。また、社会貢献に取り組む事業者としてイメージアップに繋がり、社会的価値向上の効果も期待できます。
売上向上
材料費や廃棄にかかる費用などの損失を防止し、新規顧客を獲得するサイクルを繰り返せば、売上の向上に繋がります。
食の企業が今すぐ取り入れるべきはSNS施策
コロナ禍をきっかけに広がったデリバリーやフードシェアリングという新たな食のトレンドからも分かるように、消費者は外を歩いて好きなお店を選ぶだけでなく、家からスマホで情報を集め、欲しいものを手に入れることが多くなりました。時間があればSNSで情報検索をする時代。今やSNSは消費者との重要な接点です。そして、SNSは、情報発信だけでなくブランディングとしても活用できるため、今後、積極的に取り入れるべきマーケティング施策の一つといえます。
多くの消費者がSNSから飲食店のサービス情報を得ている
株式会社ホワイトボックス*が実施した消費者向け調査によると、「新しくテイクアウトをはじめた飲食店をどうやって知るか」という調査では、「お店のブログ・SNS」と回答した人が76.2%と約8割を占めています。

更に、「お店のブログ・SNS」の内訳では、「Instagram」が47.5%と最多で、「twitter」(29.7%)、「ブログ」(18.8%)と続いています。

これらの調査からもSNSが消費者との重要な接点になっていることは明白です。特に最近は、”ググる”(Google で検索すること)から派生して”タグる”(Instagramのハッシュタグで検索すること)という言葉が生まれるほど情報収集をするときにInstagramで検索する人が増えています。
コストパフォーマンスの良い集客施策はInstagram
また、同社の調査の中で、集客にかけるコスト(お金・手間)と集客効果のリターンを表した図が以下になります。

ポスティングというアナログな手法が意外にも健闘していますが、最小限のコストで、より大きな効果を生み出したのはInstagramだということが分かります。これからSNS運用を始める場合や、多忙により複数のSNSアカウントを管理することが難しければ、まずはInstagramの運営に注力してみると良いかもしれません。最近ではInstagram運用代行サービスを専門業者に依頼してアカウントを運用している会社も増えています。
食の企業・飲食業界でのSNSを使ったマーケティング手法例
SNSマーケティングには様々な方法が存在します。代表的な手法について紹介します。
公式アカウントの運用
1つ目は、公式アカウントの運用です。TwitterやInstagramなど、無料SNSアカウントを開設し、運用するの方法です。情報を発信することはもちろん、画像や動画などのビジュアルコンテンツをうまく活用することでブランディングとしても活用できます。飲食店では事業を成長させるため、リピート率も大切にしている企業も多くあります。SNSはユーザーとコミュニケーションを取りやすいので、運用方法次第(次に述べるキャンペーンを利用するなど)では、リピーターを増やすことも可能です。
キャンペーン実施
SNS媒体の中で、キャンペーンを実施することもできます。例えば、フォローやリツート、いいねによってクーポンやその他特別なサービスが受けられる参加型キャンペーンなどがあります。消費者が楽しめるキャンペーンを実施することができれば、新規顧客の開拓にも繋がりますし、リピート率を上げることも可能です。
また、ハッシュタグ投稿のキャンペーンは、SNS上の口コミ=UGC(User Generated Contents)を増やすことにも繋がります。先述の通り、”タグる”が一般化してきている昨今では、SNS上にユーザーの口コミを意図的に増やしておくことが効果的です。
インフルエンサーの起用
インフルエンサーを起用し、PR活動を依頼する方法があります。インフルエンサーは、様々な人々に影響力を持っているため、効果的な拡散はもちろん、狙った消費者層に的確にアプローチすることも可能です。ただし、純粋なフォロワー数に左右されず、ターゲットに合ったフォロワーがついているか、フォロワーの質を見極めることが重要です。
SNS上のエンゲージメントの活用
SNS媒体はマーケティングの分析にも活用することができます。「いいね」や「コメント」、「リツイート」など、エンゲージメントと呼ばれる消費者の反応を分析することにより、多くの情報を数値化・可視化することができます。消費者から寄せられる意見には多くのヒントが隠されており、それらの数値を見ることでSNS運営の向上だけでなく、メニュー開発やキャンペーンの改善などに活かすことができます。
まとめ
飲食店経営において、提供する商品やサービスに力を入れることは当然ですが、それらを魅力的に発信し続けることも必要です。これからはSNSマーケティングを効果的に活用し、顧客獲得から情報発信、店舗のブランディングまで、積極的に行動を起こしてみましょう。

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