ライター業は一般的に、“不規則”だったり、“不安定・低収入”などのマイナスのイメージがあるかもしれません。しかしその反面、自分のスタイルで好きなことができる、最強に楽しくて自由な仕事という見方もできるのです。そして、ライターであっても“稼げる”方法があります。
今や、コンテンツマーケティングの需要の高まりとともに、“書き手”の必要性が叫ばれている時代。しかし、制作費およびライティング費用は叩かれる一方で、「安くてきつい仕事」という印象に拍車がかかりつつあるのが現状です。本来のライターの仕事の楽しさややりがいを大切にすべく、今回から数回に渡り、ライターとしての仕事の魅力とスキル作りと、“ライター職をきつい仕事にしなくて済む方法”をご紹介します。
≪若手アニメーターの平均年収は110万円、ライターは・・・?~稼げるライターになる方法①~≫
■厳しい制作の現場・・・1か月の稼働は350時間超
制作に関する業界は、昔から「きつい・低年収」などのイメージがある。実際にアニメーターの業界団体「日本アニメーター・演出協会」(JAniCA)が2015年4月下旬に発表した「アニメーション制作者 実態調査報告書 2015」によれば、若手アニメーターの平均年収が“110万円”であることが判明。一般的に新卒である20~24歳会社員の平均年収が男性265万円・女性226万円であるのに比較すると、その半分以下である。実際のアンケートでは、現場で働く多くのスタッフが「労働条件に納得がいかない」という感想を持っていた。
では、同じように“制作”を行うライターの平均年収はどのくらいなのだろうか。
■2014~2015年のライターの平均年収は?
求人・転職情報サイト「はたらいく」の調査によれば、2014~2015年のライター・記者・編集者の平均年収は、259万円。月収は18万円という結果に。会社員の新卒者と大差がない結果だ。この場合、回答者の年齢分布としては20代が半数を占めていたので、概ね一般的な数値に近いと言えそうだ。この結果に「意外」だと感じた方も少なくないのではないだろうか。
企業に属しているライターであれば、他業界と同様に、ライティングスキルや経験値が上がるのと同時に、年収もアップするという図式であろう。とはいえ、多くの企業が原稿を書いただけ収入になる歩合制を用いているため、ライターの実務だけで稼げる年収はどうしても限界がある。キャリアアップの方法としては、出版社に正社員で入り、有名雑誌の売れっ子編集長を目指す……というほんの一掴みほどの可能性に賭けるしかないのが実態だ。
ちなみに、冒頭で若手アニメーターの平均年収が110万円と紹介したが、中堅のアニメーターの場合の平均年収は332.8万円、監督ともなれば650万円近い年収となる。同様にライターでも、雑誌の編集長ともなれば、所属する出版社によっては一般のサラリーマンの平均年収をはるかに上回る額を手にすることもある。
■ライター=フリーランスの現状
しかし、ライターを志す人の多くが、企業に縛られる形ではなく、“フリーランス”という自由度を魅力と感じている人が多い。筆者も少なからず、ライターとして独立するための最も大きな目的はそこにあった。そうなると、企業に所属するよりもますますシビアな現状に直面するわけだが、それにも勝る価値を感じて、皆フリーランスという道を選ぶのだ。
そう、ライターの仕事を「嫌いなのにやっている」という人はあまりいないだろう。書くことが好きでライター職を選び、あわよくば売れっ子ライターを目指している。しかし、日々の仕事をこなすことに精一杯になり、自分の理想とは違った生活スタイルで、自分の意志とは異なる文章を書き続ける毎日が当たり前になり、下請けの枠から抜け出せなくなってしまう。
そんな状況で、どうやってライター業を謳歌すれば良いのだろうか。次回は、ライターという職業の魅力と、自分が身に付けたライタースキルの活用法について紹介する。
若手アニメーターの平均年収は110万円、ライターは・・・? ~稼げるライターになる方法①~
