
中国への越境ECを考えたときに、「KOL」と呼ばれるインフルエンサーとの関わりが外せないキーワードとなっています。“中国人が日本の商品を購入する場所の割合は、ECよりもSNSが勝っている”というデータも公開され、KOLの存在感を改めて感じると同時に、避けて通れない状況まで来ていることを実感しています。
今回は、中国の越境ECに関するセミナーに参加した内容を、最新情報としてレポートさせて頂きます。
参加人数:500名
場所:飯田橋
時間:2018年9月20日 12時半~16時
中国人が日本の商品を買う場所は【EC:35%、旅行:25%、SNS:40%】
中国人は偽物への疑心が強く現在ではKOLの紹介する商品を再リサーチしている。そのリサーチ先が一般消費者の口コミである。中国人は大手ブランド志向と言われているが、現実的に使った人の感想がない場合は大きなブランドでもその商品について再リサーチを行う。中国で無名のブランドであっても、SNSで口コミが多い場合購入に繋がると言える。商品の安全性に特に敏感な人が多く、細かいフィードバックがないと安心して購入できないという声も多い。
最近ではソーシャルバイヤーの活躍が大きく、まとまった人数でソーシャルバイヤーが商品紹介を始めるとKOLと同じ効果があり、またKOLよりもソーシャルバイヤーのほうが消費者との距離が近く、丁寧な商品説明と実用性や効果についても細かく発信するため信頼度が高い。
大きく広告を出すことや人気KOLに配信依頼をしても、証拠として一般消費者(ソーシャルバイヤー)の口コミがない場合は購買には至らない。方法としては、先ずソーシャルバイヤーに口コミを広げてもらい使用例や効果などを証拠としてネット上に残していく。次にKOLや広告で知名度上げる。知名度と口コミ数が上がるとW11など有名なイベントや大きなプラットフォームから声がかかる場合が多い。日本での売り上げが高い場合でも、〝中国人の中国語″でのフィードバックがない場合は、JDやVIP、W11での登録審査に落ちることもある。
ソーシャルバイヤー: 1000~5000人のフォロワーを持つ個人バイヤー。本業としてる場合もあるが主婦や学生も多く活躍している。日本には45万人のソーシャルバイヤーがいる。
W11:アリババが唱える「ビッグショッピングデー」TV中継やネットでのセールが行われランキングなども公開される。
REDについて
1990年以降に生まれた年齢層が多く使用し、メインでは1995年以降の若年層が70%をしめる。興味のあるジャンルを選べるため、自身の欲する内容が写真で画面全体に常に流れている。そのため使用している人は常にショッピングしている状態と同じといえる。
割合:コスメ13%、スポーツ12%、グルメ12%、ファッション8%、その他
中国人SNSのポジション
世界でみても中国人のSNS使用率は群を抜いて高い。REDやWECHAT、他のSNSも相互的に使用していて同じ内容をシェアする場合も多いが、1つのSNSを使ってのステルスマーケティングではなく多方面からの配信が信用度を上げるためには必要である。
対応期間と労力
トライアルとしてサンプリングやギフティングを行い、成果が表れるまで短くとも1年~1年半を要する。その際の文面文言や口調を年齢や配信元の人物像に合わせて変更する必要があり、細かい内容ではあるが現在の中国マーケティングの世界では必須項目となっている。
メモ
中規模の会社ほど初期投資をし最初の広告を大きく出し、消費者の再リサーチで意味をなくしているという印象を受けた。購買に繋がる最短ルートとして一般のニーズをきくというのは認知しているつもりではいたが、安心と安全に敏感な中国人がここまで口コミを重要視していたことには再度着目すべき点だと気づかされた。そして大きな動きだけが消費者の目を引くものでないということと今後の化粧品業界の中国進出の方法が大きく変動すると予想されている。
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